FFS理論とは、‘Five Factors and Stress’の頭文字を取ったもので、人の個性の構造を5つの因子で説明した理論である。Stressとは、当人がどのようなストレス状態(好ましいストレスと好ましくないストレスがある)に置かれているかを測定するものである。
FFS理論とは、一言で言えば、最適組織を作るためのツールだ。
この理論に基づき、それぞれの人が持っている個性を把握し、その個性に適した業務を与えたり、組織編成にあたって、相性の良い人々をうまく組み合わせてチームの生産効率を高めることができる。
個性やストレス状態を把握するためには、80問の質問票に答え、その結果をある公式に基づき分析する必要がある。この仕組み自体は、他の性格診断や適職診断と類似したものであるが、FFS理論の大きな特徴は、「誰と誰を組み合わせた時に最もお互い気持ちよく仕事ができ、成果があがるのか?」という問題を解決することができるという点である。
前回述べたように、協働行動をするために組織が編成されるのであるから、「人の組み合わせ方」は最重要課題であるにも関わらずこれまで、率直に言えばいい加減にやられてきた。
FFS理論は、組み合わせを変えることによって、どの程度組織の状況が改善されるかが、事前予測できる科学的なアプローチ手法であり、まさに‘コンビネーション・マネジメント’実施のために不可欠のツールである。
さて、FFS理論に基づく個性の4つのタイプについて簡単に説明させていただく。
1 リーダーシップ
言葉通り、人の先頭にたち、組織を引っ張っていく個性の持ち主
2 タグボート
軍隊であれば、斥候、偵察をまかされるようなタイプ。新しいことにすぐ飛びつきやすい。
3 マネジメント
管理能力に優れるタイプ。
4 アンカー
最後まできっちりやりとげることを重視するタイプ
例えば、具体的な人で言うと、アスキーの元社長の西氏やアマゾンのベゾス氏はまぎれもなく、「リーダーシップ」タイプである。
リーダーシップタイプは強力なバイタリティを持ち、急速に組織を拡大させていくが、しばしば突っ走りすぎるため、優秀な「マネジメント」タイプが補佐(言い換えると、尻拭い)しなければ、突然資金繰りに困り、倒産してしまうといったことが起こりやすい。
このように、4つのタイプには補完関係があり、腰が軽すぎる「タグボート」タイプには、腰の据わった「アンカー」タイプがパートナーとしているとうまく仕事が回る。
FFS理論では、基本的にはこの4つのタイプ(実際にはさらに細分化した精緻なタイプ分類でも見ていくが)をうまく組み合わせることで、最適な組織作りを実現していくことになる。
ちなみに、私は「タグボート」である。どうりでやたら新しいものにはやたらに手を出してしまうはずだ・・・(^_^)
*上記の説明は、わかりやすさのため、かなり簡略的なものとしました。正確な理論説明は、下記サイトをごらんください。
http://www.inter-vision.co.jp/
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