Weekly Matsuoty 2001/04/17
選ぶことは捨てること
 
 世界の大富豪にも肩を並べる大阪マルビルオーナー吉本晴彦氏は、“大日本ドケチ教”の開祖(^_^) であり、彼のビルは「ケチモトビル」と呼ばれている。

 彼は若い頃から、タクシーに誰かと一緒に乗る時には、絶対先に乗らなかったという。そうすれば、タクシー代を払わずにすむからだ。こうして徹底した“ドケチ”を貫く彼の金儲けの秘訣を聞くと、明快な答えが返ってくる。

「お金以外のものを全部捨ててしまえばいい」

 これまで、金か友か、という状態に追い込まれた時、吉本氏は常に友を捨ててきた。その結果多くの友を失ったが、おかげで金持ちになることができた。

 吉本氏の価値観にケチをつけるのはやめよう。「お金がすべて」の生き方を忠実に守り、他のすべてを捨ててきたこと、それはそれでさすがである。

 しばしば我々は決断を迫られたとき、どれを選んだらいいのか迷うことが多い。そんな時、どれを選んだらいいか、を考えるのではなく、自分にとって価値がないか、意味がないと思うものから切り捨てていく、というやり方がいい。選ぶことは捨てること。そうやってもっとも価値の低いものから切り捨て最後に残ったものが自分にとって最も大切なものなのだ。

 「金か、友か」

 あなたはどちらを捨てますか?

 え、私ですか?カッコつけるようですが、やはり「友」です。「金」は天下の回りもの、なくなってもがんばれば取り戻せますが、「友」はそんなわけにはいかないですから。

 吉本氏も最近は、去っていった友人たちのことを思い出し、多少は後悔しているらしい・・・。
 
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