Weekly Matsuoty 2005/01/17
自己開示
 
「自己開示」は、得意ですか?

「自己開示」とは、自分の過去の経験や現 在やっていること、将来の夢や目標、ある いは意見や感情を外部の人間に語ることで ある。

最近、楽天日記などのブログを始める人が 増えているが、人には、「自己開示」をし たいという欲求が元々強いのだといことが うかがえる。

ただ、このブログ隆盛の背景には、今の時 代、自己開示を積極的にしなければ、自分 という存在が社会から忘れられてしまう、 という不安感が強くなっていることが背景 にあるように思う。

実際、自己開示のうまさが明らかに社会生 活、特にキャリアや仕事の上での成功・不 成功を左右するようになってきている。

先日、ある人材ビジネスの一線にいる方の 話を聞いて驚いたのだが、米国では人材紹 介会社が、過去5年間で半減しているという。

半減した理由は、仕事を探している求職者 自身が、職務経歴書等をWebで公開できる サービスが浸透したからである。その結果、 企業の採用担当者は、人材紹介会社を仲介 することなく、直接、適材を探すことがで きるようになった。

また、優れた情報をブログ上で提供してい る個人を直接一本釣りしたり、出版などの 業務契約をオファーするということも増え ている。

この現象は、日本でも起こりつつあるし、 今後、より大きなトレンドになってくる。 だから、「自己開示」に躊躇すべきではな いし、そのスキルを磨くことが必要と認識 されるようになってきたのだろう。

面白いのは、以前は面接などにおけるプレ ゼンテーション能力が重要であり、それは 主に「話力」であったのが、今は、文章で 的確に自分を表現できること、すなわち、 「筆力」の向上が求められるようになった ことだ。

そして、「筆力」を磨くために大事なのが、 実際に書いてみるということに加えて、相 当量の読書を行うことである。

あらゆる社会活動に必要とは言わないが、 個々人の読書力や表現力(特に筆力)が問 われるようになったという現状を見ると、 まさに、私たちは、「知識社会」に生きて いると言えだろう。
 
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