Weekly Matsuoty 2000/06/12
デザイン or ドリフト
 
 ここで私が触れたい「デザイン」とは、ビジネスデザインや、キャリアデザイン、という言葉において意味する「設計図」のことである。あるいは「ロードマップ」と言っても良い。

 ビジネスにしろ、キャリアにしろ、まず到達したいゴールの設定が必要である。そして、次にそのゴールに到達するため、どのような仕組み(体制)が必要であり、またどのように進んでいったらいいのか、ということをあらかじめ考えなければならない。

 「デザイン」とは、こうした、ゴールに到達することを目的とする仕組みや進行ルートをプランニングするプロセスのことである。

 もし、「デザイン」というプロセスを省いて、いきなり行動を起こしたらどうなるか。ロードマップを持たずにドライブに出るようなものである。特に、ビジネスやキャリアといった複雑で、絶えず変化するものをデザインなしで進めることは、道らしい道さえない広大なジャングルに、地図もコンパスも持たずに踏み込むようなものだ。

地図もコンパスもなく、広大なジャングルに踏み入れた人ができることは、当てもなく漂い、流されるだけ(ドリフトする)である。ゴールがどこにあるかもわからないし、どうやって向かっていいのかもさっぱりわからない状況に陥っている。

 上にあげた例はわかりやすい例だと思うが、現実にはデザインがなく、ドリフト状態になっている企業や人がとても多い。そしてそれを自社や本人が自覚できていない。

事業戦略、経営計画がなく、経営者のカンだけで突っ走る会社、漠然と、なんら問題意識、学習目標も定めず漫然と業務をこなす人々。

 デザインしろ、さもなければドリフトしろ。設計図がなければ流されるだけ・・・。

企業には明確な「ビジネスデザイン」、そして個人には明確な「キャアデザイン」が必要だ、もしゴールに到達したければ、あるいは理想の自分になりたければ。
 
close