マーケティングの神話
 
1 マーケティングの神話
  1 困惑するマーケティング現場
2 製品開発に合理性はありうるか
    (1)消費者欲望論の合理性
(2)開発プロセスにおける無秩序
(3)消費者の欲望と製品技術との結びつきの必然性の神話
  3 コンセプト・ターゲットの見誤りは多くないか
    (1)予想されない市場の動き
(2)製品の「意味のずれ」
  4 消費者に欲望はあるか
    (1)自分の経験を表現できない消費者
(2)文化コードが消費の意味を決める
(3)手段(製品)が目的(欲望)を決める
  5 新しいマーケティング概念に向けて
6 本書の問題提起

2 意味構成・了解型の製品開発
  1 金融商品の開発と広告作品の制作
    (1)金融商品の開発
(2)広告作品の制作
(3)製品開発の二つのタイプ
  2 モノ型スタイルと芸術型スタイル
    (1)開発スタイルの違いと製品特徴の違い
(2)二つの開発スタイルの特性
  3 日産自動車の開発体制の革新
    (1)開発組織体制の変更
(2)マトリクス組織の意図
  4 製品開発の二つの論理・論理実証と意味構成・了解
    (1)製品開発の基本論理
(2)意味構成・了解型スタイルの限界
  5 意味構成・了解概念の意義

3 対話型コミュニケーション
  1 マーケティング・リサーチの革新
    (1)消費目的と消費手段の明瞭性
(2)生活文化ルールの理解
(3)「消費経験の理解」アプローチ
  2 組織コミュニケーションの革新
    (1)解釈された情報を扱う条件
(2)解釈情報の妥当性
  3 マーケティング・コミュニケーションの革新
    (1)深いコミュニケーション
(2)ディドロ統合体を通じてのコミュニケーション
(3)記号としてのモノ
(4)記号としてのモノ・コミュニケーションの課題
  4 解釈情報コミュニケーションの意義

4 競争概念は普遍的か
  1 日本と米国に見る競争行動の違い
2 米国流マーケティング・マネジメント
    (1)管理できない製品流通
(2)活発な価格変更と販売促進は米国企業の重要な適応手段
(3)需給アンバランスの即時的解消
  3 日本流マーケティング・マネジメント
    (1)新市場の開拓ならびに市場需要と流通プロセスの管理
(2)製品ラインの拡大と製品革新のスピード、そして製販統合
  4 器用仕事と客観的偶然
    (1)不可逆的資源蓄積の意義
(2)思わぬ偶然がマーケティングの必然
(3)資源先行型競争行動は思わぬ偶然を活かす体制
  5 コンセプトによる適応と記号作用による適応
    (1)競争行動の仮説
(2)社会現象としての競争
(3)解釈としてのコンセプト

5 人間にとって消費するとは何か
  1 なぜ、消費をするのか
    (1)消費をすることが楽しい:「快楽主義」
(2)人は人を食べられるか
(3)「消費と文化」研究の発展
  2 文化的事業としての消費
    (1)自己完成のための文化的事業
(2)文化現象としての消費
  3 体験としての消費
    (1)主観的体験の概念
(2)情報処理モデルとの比較
  4 消費概念の深化
    (1)効用概念への疑問
(2)広がった消費行動の概念

6 交換は必然のものか
  1 マーケティングの基礎概念としての交換
2 相互行為としての交換
    (1)消費はマーケティングに依存するのか
(2)二つの欲望:自然的欲望と具体的欲望
(3)伝統的マーケティング概念への挑戦:「競争的使用価値」概念
  3 交換は必然か
    (1)製品に使用価値は内在するのか
(2)労働に価値は内在するのか
(3)労働は価値を決めるのか
  4 浮遊する価値
    (1)価値の恣意的性格
(2)異文化間交換とマーケティング

7 科学はマーケティングなのか
  1 「科学」概念の脱構築へ
2 マーケティング研究の相対主義
    (1)相対主義のタイプ
(2)「知識をマーケティングする」
(3)存在論的相対主義と解釈学
  3 「マーケティングは科学なのか」再論
    (1)知識の正しさはどのようにして知るのか
(2)存在の意味を問う解釈学:「認識論的解釈学」から「存在論的解釈学」へ
(3)主観的了解、解釈学的循環、そして対話
  4 マーケティング世界におけるポスト・ポジティビズムの意義
    (1)解釈学アプローチの意義
(2)マーケティングとポスト・ポジティビズム

8 神話のマーケティング
  1 認識優位の知
2 フィールドの知
3 神話のマーケティング
4 分析的理解、共感的理解、そして対話的理解

参考文献
あとがき
索引
 
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