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ここでは、ポストモダン・マーケティングの範疇に入る様々な手法、ツールをご紹介します。 なお、「フォーカスグループ・インタビュー」のように、調査手法としては一般的なものも含まれます。
必ずしも、「ポストモダン的手法」と意識されないで開発されてきたものが、既に存在しているということです。

●フォーカスグループ・インタビュー(単発)
単に「グループインタビュー」と呼ばれることが多いですが、5人程度の消費者の方に集まっていただき、調査主体側がアレンジした、司会(モデレーター)がグループでの議論を進めるものです。グループで討議してもらうことで、議題となったテーマ(特定商品に対する評価など)について広がりのある意見を収集することを狙いとしています。ただ、司会の誘導が強すぎたり、参加者間の議論にはなかなか発展しなかったり、逆に声の大きい参加者に、残りの参加者の意見が引っ張られてしまって、建前論的な議論になってしまう可能性もあります。また、通常、グループインタビューの参加者はお互い見ず知らずの関係であるため、必ずしも深い話が引き出せるわけではありません。

●フォーカスグループ・インタビュー(ロングラン)
同一メンバーでフォーカスグループインタビューを複数回行うものです。これは、参加者間の相互理解が深まり、信頼感が生まれてくるため、微妙な問題についても、より深い、本音の意見が聞けるようになる可能性があります。

桑原武夫氏(慶應義塾大学助教授)が実施したものでは、60歳前後の人々の資産運用についてのインタビューを週1回、合計6回行いました。最初から最後まで、参加者もモデレーターも変えず、信頼関係をしっかりと築いた上で話をしてもらうことが狙いでした。最初の回はあまり深い話は聞けないのですが、3〜4回目あたりでは、かなりプライベートなことまでさらけ出して語り合うようになったそうです。

●ステレオ・フォト・エッセー
ステレオ・フォト・エッセーは、桑原武夫氏、モリス・B・ホルブルック(コロンビア大学教授)によって開発された手法です。調査対象者は、与えられた消費テーマに対して、インスタントカメラを2台くっつけた立体写真カメラで、自分の好きなところを写真に撮り、それについて一定の文章(エッセイ)を書くことを指示されます。調査は、その写真、および文章を深く読み込んでいくことを通じて、調査対象者の消費体験の裏側にあるものを解釈していきます。写真が、立体(3D)である点が特徴的で、平面的な写真にはない鮮明さや現実感があり、調査対象者に、豊かな消費体験を物語ってもらうことに寄与しています。

*他にも各種の方法・ツールがありますが、随時追加していきます。
 
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